つい最近、Amazonのプライム会員になった。現在30日間の無料体験期間中である。同時にもっと早く加入していればよかったと痛感しているさなかでもある。30日を過ぎたらそのまま年間4900円を払うことになるだろう。
プライム会員が利用できるサービスのひとつに、「Prime Reading」がある。約1,000冊のKindleの電子書籍が無料で読み放題というものだ。
私はとりあえずおもに漫画を読んでいるので、2020年2月現在、Prime Readingの対象となっている作品のなかからおもしろかったものを紹介していきたいと思う。
なお、読んでいるのはどの作品も最初の1巻のみである。
※Prime Readingの対象作品は時期によって異なるようなので、すでに読めなくなっている場合もあることをご了承ください。
『怪談少年』高橋葉介
幻想怪奇漫画の大家・高橋葉介による連作短編集である。
特殊な能力を持ち、なにやら霊媒師っぽい仕事をしている姉・影絵と、その弟でごく普通(たぶん)の少年・辻成がメインキャストのシュールなホラーコメディ。『耳なし芳一』『夢十夜』『黒猫』など、どの話も古今東西の怪談、怪奇小説からタイトルを借用しているところが、ホラーファンにはうれしい。
妖艶でちょっとサディスティックで、でも辻成のことが好きな影絵がかわいらしく、おねショタっぽい楽しみもある(そちらがメインという話もある)。『茶碗の中』と『猿の手』が私のお気に入りだ。
3巻まで出ているうち、1巻だけPrime Readingで読める。
『銀と金』福本伸行
『カイジ』『アカギ』で知られる福本伸行の作品。
舞台となるのは、バブル崩壊直後の日本。ギャンブル好きなだけで平凡な若者だった森田が、「銀王」の異名を持つ平井銀二という男に出会ったことで裏社会に身を投じていくというストーリーである。
第1巻ではどえらい金額を扱うマネーゲームが始まる。銀行がどうとか株がどうとか、そのへんの知識はあまりないが、それでもぐいぐい引きこまれた。
全11巻のうち、2巻までPrime Readingで読める。
『地球へ…』竹内惠子
竹内惠子によるSF漫画の金字塔的作品。
もはや説明不要の名作……のはずだが、恥ずかしながらタイトルだけ知っていて未読だったので今回読んでみた。
SFとしての設定自体はさすがに古びているかもしれないが、とてつもなくおもしろい。名作はやはり読まなければならないとあらためて痛感した次第である。
私が今回読んだのは「カラーイラスト完全版デジタルエディション」というもの。
全3巻のうち、1巻をPrime Readingで読める。
『ベルサイユのばら』池田理代子
宝塚歌劇団のミュージカルとしても有名な池田理代子の代表作。
恥ずかしながら、またしてもタイトルだけ知っていて未読だった名作。第1巻はまだほんの導入なのだろうが、それでもとてもおもしろかった。
なんといっても、マリー・アントワネットのキャラクターがすばらしい。美しく可憐なだけではない、多面的なキャラクターとしての掘り下げ方が見事。女性キャラクターをこんなふうに描くのは、やはり男性作家には難しいのだろうなと思わされてしまった。
全9巻のうち、3巻までPrime Readingで読める。太っ腹である。
『モリのアサガオ』郷田マモラ
伊藤淳史主演でテレビドラマ化もされた郷田マモラの作品。
主人公は、拘置所の死刑囚舎房の処遇部に配属された新人刑務官・及川直樹。及川が刑務官という仕事にたいして抱くさまざまな葛藤と、死刑が確定している囚人たちの生々しい描写が見事である。
第1巻ではもうひとりの主人というべき渡瀬満についてはまだ導入部分のみといった感じ。 2巻以降、及川と渡瀬の交流がどのように描かれていくのか楽しみである。
全8巻のうち、3巻までPrime Readingで読める。太っ腹である。
『ゆるキャン△』あfろ
アニメ化、テレビドラマ化され、さらに劇場アニメの公開も決まっている、あfろによる人気漫画。
今回読んだ作品のなかでいちばん好きになったのは本作かもしれない。女の子がゆるくキャンプをする、という内容くらいはなんとなく知っていたが、キャンプの描写がいちいち楽しく、すっかり魅了されてしまった。
とくに自然の風景の描写がすばらしい。おそらく作者としても力を入れているポイントなのだろうと思う。
女子高生たちはみんなかわいく、彼女たちの掛け合いもとても楽しいが、個人的には主人公の志摩リンがひとりで黙々とキャンプをしているシーンが好きだ。彼女がキャンプしている動画をYouTubeにあげてくれたらすぐにチャンネル登録すると思う。
既刊9巻のうち、1巻がPrime Readingで読める。
まとめ
以上、6作品を紹介した。
このほかにも無料で読める漫画がいろいろあるので、Amazonプライム会員の方はとりあえずつまみ食いしてみるのがいいのではないかと思う。
ちなみに、月額980円の「Kindle Unlimited」の会員ともなれば、Prime Readingとは比較にならないほど大量の本が読み放題になる。こちらに登録する日も遠くないような気がしている。